ライム〜あの日の先へ
「水上先生がハルトくんのお父様だったんですか」
「おや、鈴子先生もご存じなかったんですか。すみません、プリスクールに関しては琴羽に任せっきりだったもので」
「じゃあ、水上先生と琴羽さんがご結婚されていたんですね?」
「あ、いや……うちはいわゆる事実婚ってやつで。
琴羽は『一条』の名を背負ってビジネスの世界で戦っています。今の段階で彼女にとって籍を入れることはベストな選択ではありませんので」
水上と琴羽がパートナー関係だった。ずっと疑問だったハルトの名字が『水上』だということもこれで納得できる。
つまり、ハルトは零次の子どもでもなければ、零次と琴羽の結婚も、鈴子の勘違いだった。
「す、鈴子先生?どうしたんですか?」
なんだか一気に気が抜けた。
鈴子はその場に崩れ落ちるようにヘナヘナとしゃがみこんでしまう。
「すみません、びっくりして」
「それだけじゃなさそうです。体、熱いですよ。熱がありますね。37…いや38度近くあるかもしれません」
水上が鈴子のおでこに手を当てる。
言われてみればなんだか体がだるい。
朝から全身ずぶ濡れになり、夕方も車両整理で自己中心的な親に振り回されて濡れ、風邪を引いてしまったのかもしれない。
「おや、鈴子先生もご存じなかったんですか。すみません、プリスクールに関しては琴羽に任せっきりだったもので」
「じゃあ、水上先生と琴羽さんがご結婚されていたんですね?」
「あ、いや……うちはいわゆる事実婚ってやつで。
琴羽は『一条』の名を背負ってビジネスの世界で戦っています。今の段階で彼女にとって籍を入れることはベストな選択ではありませんので」
水上と琴羽がパートナー関係だった。ずっと疑問だったハルトの名字が『水上』だということもこれで納得できる。
つまり、ハルトは零次の子どもでもなければ、零次と琴羽の結婚も、鈴子の勘違いだった。
「す、鈴子先生?どうしたんですか?」
なんだか一気に気が抜けた。
鈴子はその場に崩れ落ちるようにヘナヘナとしゃがみこんでしまう。
「すみません、びっくりして」
「それだけじゃなさそうです。体、熱いですよ。熱がありますね。37…いや38度近くあるかもしれません」
水上が鈴子のおでこに手を当てる。
言われてみればなんだか体がだるい。
朝から全身ずぶ濡れになり、夕方も車両整理で自己中心的な親に振り回されて濡れ、風邪を引いてしまったのかもしれない。