ライム〜あの日の先へ
ーー五嶋社長には絶対会わないと言うから来たのに。

だが、このプロジェクトに参加したからには、いつかは顔を合わせることになるかもしれないと思っていた。それが早くなっただけ。

こちらにやってくる零次の姿を見て、一成は仕方なく覚悟を決める。

「一成……?なんでお前が……」

零次は信じられないとつぶやいて驚きも隠さずその場に立ち尽くす。

「望田です。恥ずかしながら古巣に戻ってまいりました。
よろしくお願いいたします」

一成のほうは動揺することもなく冷静に頭を下げた。

福島が一成をちらりと見る。
福島の心配そうな表情に、一成は大丈夫と頷いて見せた。


「じゃあ、望田に後は任せて我々は失礼します」
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