ライム〜あの日の先へ
「なぁ、一成。鈴子が子どもまで成した男ってどんな奴なんだ?」
「……そんなこと、聞いてどうする」
「だよな」
再び自嘲的な笑みを唇に浮かべる零次。その表情には見覚えがある。
ロサンゼルスを去ると決めた時。責任だけ負わされるために社長になると言った、あの時の全てを諦めてしまった顔だ。
そんな顔は零次には似合わない。
「鈴子は一度も結婚していない。妊娠に気づいたときには相手の男はいなかった。妊娠も出産も子育ても、あいつは一人で頑張ってる」
「……え?まさか相手の男に弄ばれたのか?それとも事件に遭ったとか?」
「そんなんじゃないよ。零次は極端だな」
零次はどうしても自分が父親だという発想にはならないらしい。
一成からは、事実を告げるつもりはない。零次に知らせるかは鈴子が決めることだ。
「……そんなこと、聞いてどうする」
「だよな」
再び自嘲的な笑みを唇に浮かべる零次。その表情には見覚えがある。
ロサンゼルスを去ると決めた時。責任だけ負わされるために社長になると言った、あの時の全てを諦めてしまった顔だ。
そんな顔は零次には似合わない。
「鈴子は一度も結婚していない。妊娠に気づいたときには相手の男はいなかった。妊娠も出産も子育ても、あいつは一人で頑張ってる」
「……え?まさか相手の男に弄ばれたのか?それとも事件に遭ったとか?」
「そんなんじゃないよ。零次は極端だな」
零次はどうしても自分が父親だという発想にはならないらしい。
一成からは、事実を告げるつもりはない。零次に知らせるかは鈴子が決めることだ。