ライム〜あの日の先へ

たどり着いた真実

※※※


熱を出したのはいつぶりだろう。
凛を出産してからはずっと気を張っていて病気らしい病気などしなかった。

でもこのところの忙しさと悩みで、体も心も疲れていたのかもしれない。

「鈴子先生、20分ほどでお迎えが来るそうです。薬も届けてもらうように手配しました。本当は横になったほうがいいのですが、この床じゃ痛いですね。座布団とかあるといいのですが」
「いえ、このまま椅子に座っているだけで充分です。水上さん、何から何まですみません」
「とんでもない。いつもハルトがお世話になっていますし、ご迷惑ばかりおかけしているのに。
お迎えがくるまでりんちゃんとハルトは待てるよね?」

「ママ、しんじゃう?」

不安で泣き出しそうな凛に水上は優しく首を横に振った。

「大丈夫。すぐ良くなるよ。ママを少しでも休ませてあげたいから、あっちで一緒に遊ぼう」

一成が迎えにきてくれるとわかった。凛のことも水上が面倒見てくれる。
安心したら、急に眠くなってきた。

鈴子は椅子に座ったまま、壁に寄りかかって目を閉じた。


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