ライム〜あの日の先へ

ポツポツと遠くで雨が窓をたたく音がする。


ーー今日はファーマーズマーケットをスタートにドライブの約束なのに。
ひどい雨じゃないといいなぁ。

「鈴子」

零次くんの声がする。今、何時だろ。ロサンゼルスのファーマーズマーケットは朝早いから、今朝は早起きしようって決めてたのに、なんでだろう、目が開かない。
おかしいな、体が重くて動かない。
新鮮なライム買いたいのに売り切れちゃう。



「鈴子、大丈夫か、起きれるか?」

え、おにい?!
なんで零次くんのアパートにおにいがいるの?


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