ライム〜あの日の先へ
「よかった。はやくげんきになってね、ママ」

凛が目をこすりながら足にしがみついてきた。眠くなってきた合図だ。

「凛、ねんねしようか」

凛をふわりと一成が抱っこをする。凛は一成の胸に顔を埋めていやいやと首を振った。

「りん、ねむくない。もっとれいじくんとあそぶ」
「うれしいなぁ、りんちゃん。でも俺ももう眠くなっちゃった。また、遊びに来てもいい?」
「うん!ぜったいきてね」

「じゃあ、寝かせてくるよ。凛、ママにおやすみの挨拶して」
「ママ、おやすみなさい」

一成に抱っこされたまま、チュッと鈴子のほっぺにキスをする。

「おやすみ、凛。ママ、すぐ元気になるからね」

いつもならキスを返すところだが今日は頭を撫でるだけにする。

「れいじくん、おやすみなさい」

零次にはヒラヒラと手を振って、凛は一成と共に寝室へと消えていった。

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