ライム〜あの日の先へ
「鈴子先生……私もう、嫌です」
「お疲れさまでした。お迎えのほうは私が代わりますから、先生は裏で休んでいてください」
「ありがとう、鈴子先生」
鈴子は次々とやってくるお迎えに対応するので忙しくなる。ほとんどの子どもたちを親たちに引き渡し終えて、ちらり、とみれば、クレアの母はスクール長にまだ噛み付いていた。
スクール長と鈴子の目が合う。
「鈴子先生、水上陽翔くんのお迎えは?」
「まだです」
ハルトのお迎えが来る前に、なんとか帰したい。スクール長がそう考えている事は明らかだった。