ライム〜あの日の先へ

「いいなぁ、リンちゃん。
パパにかたぐるましてもらってるー」

零次とはしゃいでいると、同級生が凛を指差して羨ましそうに言った。


ーーパパにかたぐるま?

あの子はいつもの凛みたいだ。友達がパパとお出かけするとか、パパに抱っこや肩車してもらっている姿を羨ましがる、いつもの自分。

「おいで、キミも肩車してあげる。
お母さん、いいですか?」

母親の許可が降りると、零次は凛を降ろして友達を肩車した。

零次の肩の上ではしゃぐ友達。
凛はその姿を見てモヤモヤした。

ーーれいじくんが、りんだけをかわいがってくれたらいいのに。
れいじくんが、りんのパパならいいのに。

< 211 / 231 >

この作品をシェア

pagetop