ライム〜あの日の先へ
「いいなぁ、リンちゃん。
パパにかたぐるましてもらってるー」
零次とはしゃいでいると、同級生が凛を指差して羨ましそうに言った。
ーーパパにかたぐるま?
あの子はいつもの凛みたいだ。友達がパパとお出かけするとか、パパに抱っこや肩車してもらっている姿を羨ましがる、いつもの自分。
「おいで、キミも肩車してあげる。
お母さん、いいですか?」
母親の許可が降りると、零次は凛を降ろして友達を肩車した。
零次の肩の上ではしゃぐ友達。
凛はその姿を見てモヤモヤした。
ーーれいじくんが、りんだけをかわいがってくれたらいいのに。
れいじくんが、りんのパパならいいのに。