ライム〜あの日の先へ
「りんちゃん?ブランコで遊ぶのかい?」

なんだか面白くなくて凛はひとりでブランコに乗った。すると、零次が友達を肩から下ろし、凛のもとへやってきた。

「れいじくんなんて、キライ」
「…え」

いきなりキライ宣言をされて、零次は青ざめる。

ーー何か機嫌をそこねるようなことをしたのか?

あんなに喜んでいたのに、いきなりつまらなそうになってしまった凛がわからない。


「お待たせ、凛、零次くん。ご飯、行こうか」
「ママ!」

そこへ帰り支度をした鈴子がやってきた。すると、凛がブランコから飛び降りて鈴子に一目散に抱きついた。

「どうしたの、凛」
「すまない、何かやらかしたみたいで、りんちゃんに嫌われてしまった」

こちらは、これ以上ないほどに暗い表情の零次。ほんのわずかの間に何があったようだ。

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