ライム〜あの日の先へ




三人はレストランで楽しく食事を終え、零次の運転する車で帰路についた。

「きょうのれいじくん、ママとりんをたすけてくれてかっこよかった!
れいじくんはえらいひとなの?おしろのいちばんうえのたかいところにすんでる?」
「偉いかと言われると、そうでもないかな。まぁ、鈴子を助けられたから社長やってて初めて良かったと思ったけど。残念ながら住んでいるのもお城じゃない」
「そっか。ちがうんだ。ざんねん」

凛は本当に残念だとつぶやいている。車が走り出してもはしゃいでいたが、しばらくすると電池が切れたようにコトンと寝てしまった。

零次は車のバックミラーでチャイルドシートの上で気持ちよさそうに眠っている凛を見る。

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