ライム〜あの日の先へ
「騒がしくてごめんね、零次くん……!?」
零次は、凛が一成とともに隣室へと行くと、凛の食べ散らかしを片付けていた鈴子を抱き寄せた。
そして息も出来ないほどの口づけを降らす。
鈴子は思わず零次にしがみついた。
「愛してる、鈴子」
「……私も愛してる。何回言っても足りないくらい、愛してる。
零次くんが私を見てくれて、愛してると言ってくれた。
もう、気持ちが抑えられない。怖いくらいあふれてくる」
鈴子はぎゅっと零次にしがみついたまま、小鳥がついばむように数えきれないほど口づけを交わす。
口づけは、わずかにさわやかなライムの香りがした。
ーー私の心はずっとあなたに囚われている。
あなたへの愛は私にとってバードライムだ。
きっと死ぬまで愛し続ける。
愛する人を自分だけのものにしたくて、自分だけを見ていてほしくて凶行に走った母親。記憶にも残っていない母親は鈴子にとってただの狂人でしかなかった。どこか別の世界の人だった。
母は追い詰められて、凶行を犯すことで父への愛を満たしたのだ。きっと母は情愛に満ちた女性だったのだろうと今は思う。
零次への狂気にも似た愛は、母からの遺伝かもしれない。
零次は、凛が一成とともに隣室へと行くと、凛の食べ散らかしを片付けていた鈴子を抱き寄せた。
そして息も出来ないほどの口づけを降らす。
鈴子は思わず零次にしがみついた。
「愛してる、鈴子」
「……私も愛してる。何回言っても足りないくらい、愛してる。
零次くんが私を見てくれて、愛してると言ってくれた。
もう、気持ちが抑えられない。怖いくらいあふれてくる」
鈴子はぎゅっと零次にしがみついたまま、小鳥がついばむように数えきれないほど口づけを交わす。
口づけは、わずかにさわやかなライムの香りがした。
ーー私の心はずっとあなたに囚われている。
あなたへの愛は私にとってバードライムだ。
きっと死ぬまで愛し続ける。
愛する人を自分だけのものにしたくて、自分だけを見ていてほしくて凶行に走った母親。記憶にも残っていない母親は鈴子にとってただの狂人でしかなかった。どこか別の世界の人だった。
母は追い詰められて、凶行を犯すことで父への愛を満たしたのだ。きっと母は情愛に満ちた女性だったのだろうと今は思う。
零次への狂気にも似た愛は、母からの遺伝かもしれない。