ライム〜あの日の先へ
「もちろん」
「あ、俺も行く!鈴子ちゃんのこと応援するよ!お弁当も手伝うぞ。
何がいいかな。まずはおにぎりだろ、唐揚げと卵焼きは外せないよな」
「そう!そう!さすが零次くん!
あと、タコさんウインナーも!」


鈴子は瞳を輝かせて、飛び跳ねて喜ぶ。そんな姿に一成も零次も思わず笑みがこぼれた。

ーー親なんて当てにしない。俺たちだけで、上手くやっていける。

常日頃から一成はそう思っている。
鈴子が恥ずかしくないように、周囲の好奇の目をかわすために、と優等生でいる努力を欠かさなかった。
鈴子の世話があるから、学習塾には通わない。

一方零次も息子に関心を示さない母に学習塾に通いたいとは言えず、自主勉強するしかなかった。

そんな一成と零次は、お互いに勉強を教え合い、補い合っていた。おかげで二人とも塾なしでもいつも上位の成績をキープしていた。



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