ライム〜あの日の先へ
そして、運動会の日を迎えた。

鈴子は目覚めるなり、家中に香るにおいに心踊らせた。
美味しそうなにおいにつられるように、階下に降りる。

「一成、揚げ物を頼む」
「オッケー。飾り切り上手いな、零次は器用だなぁ」
「だろ?」

キッチンで忙しそうな一成と零次。小学生の時に家庭科で作ったおそろいのエプロンをして、楽しそうだ。

「おはよう、おにい、零次くん」
「おはよう、鈴子。梅雨入りしたとは思えないほどいい天気だぞ。よかったな」
「おはよう、鈴子ちゃん。朝からお邪魔してるよー」

「いいにおい!お弁当、楽しみにしてるよ!顔、洗ってくるから!」

運動会がこれほど楽しみになるなんて、思わなかった。

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