ライム〜あの日の先へ
「今までの人生で神に感謝なんてしたことなかったけど。
今はめちゃくちゃ感謝してる。俺が鈴子の初めての相手だなんてさ。
もう、今日は仕事行かないでこのまま、ずっと抱いていたいくらい。最高によかった」

たった一週間だと、わかっている。これ以上好きになっても不毛なだけ。
それでもこんなに大事にしてくれて、鈴子は甘さにとろけてしまいそうだった。

「しかし、一成に何も言わずに鈴子を連れ出したしな、恩を仇で返してしまった。今日、どんな顔して会えばいいんだろ。怒られるだろうな」
「私が誘ったの。大丈夫、私が零次くんの分まで怒られてくる。
でも、おにいは怒らないと思うけどね。私が零次くんのことが大好きだって知ってるし。
って、零次くん、ちょっと……や」

零次の手が優しく鈴子の体をなぞる。

「起きる時間までまだあるし。目が覚めちゃったし、鈴子は俺のことが大好きだって言うし。
覚えたこと忘れないように復習って大事だろ?」

そんな意地悪なことをいいながら、キラキラの満面の笑みで甘い口づけを落とすなんて。
反則だ。勝てるわけがない。
鈴子は、覚えたての世界に再び溺れる事になった。





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