ライム〜あの日の先へ

遺伝


その日は、朝から風が強く吹いていた。
午前中はよく晴れていたのだが、午後になると雲が増え、お迎えの時間には雷雨となっていた。

凛は気圧の変化が激しいこんな日は咳き込みがちになり元気がなくなる。
凛は小児喘息を抱えていた。

早く帰りたかったが、今日もハルトのお迎え待ちだった。

「スズコ、リンが辛そうだ。今日はもう帰りな。ハルトのことは俺に任せて」

マイケルがそう言ってくれた。その言葉に甘えることにする。

「凛、帰ろ」
「ゲホゲホ…ゲホッ」

薬は飲ませたのだが、咳がひどくなってきていた。これから夜になれば更にひどくなるかもしれない。
幼い我が子が苦しむ姿は胸が痛い。


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