ライム〜あの日の先へ
「俺、頑張るから。五嶋商事を守ってみせる。それが一成と鈴子を守るために唯一俺にできることだから」
「わたしもCAになる夢、がんばる」
「CAになった姿見せてよ」
「おにいとロスで再会したみたいな、次の偶然はもうない。住む世界が違うでしょ。零次くんが一条さんと幸せに暮らしていることを祈ってる。
You live in the limelight.(あなたは、脚光を浴びて生きていって)」

零次が教えてくれた、覚えたてのフレーズ。
お互い大好きな『ライム』という音が耳に残る。
酸っぱくてほろ苦い果実のライム。脚光を浴びるというフレーズでのライム。どちらも、ふたりの刻んだ時間を思い出させる音だ。

「ライムライトか。俺の場合、悪い意味で脚光を浴びるだろうな。
絶対這い上がって見せる。だれより鈴子に頑張った俺を褒めてほしいから」

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