社長っ、このタクシーは譲れませんっ!


「いや~、今、生まれたばかりの孫がやってきて、大騒ぎなんだよ。
 それで家内がお弁当作ってくれなくてさ。

『あなた、たまには社食に行ってみたら?』
って、言われたんで、来てみた」

 なんとかカツカレーを頼んで食べながら仙人は笑っていた。

「いや~、社史の小冊子に載せられそうな大事件でしたね」
と社食を出ながら、千景は言って、三人に釘を刺される。

「載せるなよ」

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