たとえ、この恋が罪だとしても
「そうなのよ! しかも巻頭で! 瀧人の名前も前面に出すって」

 老舗ファッション誌からのオファー? 
 十把ひとからげのグラビア写真家から抜け出せるチャンスじゃないか、それって。
 
「ネットにアップしてたプロモーション用の写真があったでしょう? リンク張ったメールを手当たり次第送っておいたら、なんとMOGAの編集長の目に留まったみたい」

 彼女はさらに眼を輝かせて、おれを見つめる。

「ちょうど日本特集を組むので、まだ世間にあまり知られてない有望な日本人写真家を探してたんですって。オリジナルの写真を提供してほしいそうよ。ブランド縛りとかもなしで、好きに撮ってくれって」

「……詐欺じゃないよな。その話」

「まあ、そう思うのも無理はないけど、日本法人の事務所から来た電話だったし、確認でかけ直してみたけど、ちゃんとオフィスに繋がったから大丈夫よ。とりあえずスケジュールが聞きたかったみたい。締め切りは3カ月後の2月末」
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