たとえ、この恋が罪だとしても
 でもまったくそうはならなかった。

 猛烈な嫉妬心で身も心も焼き尽くされそうになってしまった。

 安西さんに愛撫されている紗加さんが心の底から憎らしかった。

 どうしてあそこにいるのがわたしじゃないんだろう、と狂おしい気持ちがわき起こってきておかしくなりそうだった。

 これほど激しい感情を抱いたのは生まれて初めてだ。


 こんな気持ちを抱えたまま、本当に結婚なんてできるのだろうか。

 でも一体どうしたらいいんだろう。俊一さんにどう言えば?

 俊一さんのご両親やうちの両親、ふたりの結婚を祝福してくれる人たちにいったいどう言えば……。

 いくら考えても答えは見つからなかった。

 いや、どこを探したって、そんな都合のいい答えなど存在するわけがない。

 それはよく分かっているのだけれど……
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