たとえ、この恋が罪だとしても
酒井さんは無視して、安西さんはわたしに言った。
「打ち合わせたいことがあるから、控室に来てくれる?」
「はい」
ほっとして、安西さんの後に続いた。
「あいつに変なこと言われなかった? アート・ディレクターとしては超一流なんだけど人間的には下衆だから。おれはあんまり一緒に仕事したくないんだけど、紗加が気に入っているんだ。あいつの仕事」
やっぱりわたしが困っていたから、あの場から連れだしてくれたんだ。
今日、ここに来てからずっと感じていた。
撮影の準備で忙しいはずなのに、どこにいてもわたしのことを気遣ってくれる安西さんの視線を。
こういう現場に慣れていないわたしには、それがどれだけ心強いことだったか。
「そんなことより、だいぶ緊張してるだろ。顔に出てるよ」
「打ち合わせたいことがあるから、控室に来てくれる?」
「はい」
ほっとして、安西さんの後に続いた。
「あいつに変なこと言われなかった? アート・ディレクターとしては超一流なんだけど人間的には下衆だから。おれはあんまり一緒に仕事したくないんだけど、紗加が気に入っているんだ。あいつの仕事」
やっぱりわたしが困っていたから、あの場から連れだしてくれたんだ。
今日、ここに来てからずっと感じていた。
撮影の準備で忙しいはずなのに、どこにいてもわたしのことを気遣ってくれる安西さんの視線を。
こういう現場に慣れていないわたしには、それがどれだけ心強いことだったか。
「そんなことより、だいぶ緊張してるだろ。顔に出てるよ」