たとえ、この恋が罪だとしても
 とくにカメラを構えた彼は、テスト撮影とは醸しだすオーラがまるで違った。

 この場を仕切る主役は自分だ、という自信と誇りに満ちあふれていて、目が眩んでしまうほど素敵だった。

 こうして、いつまでも彼のことを見ていたい。
 その気持ちは果てしなく膨らむ。

 でも、それもあと数時間。
 この撮影が終われば、この人と共有する時間も終わる。



 そう、終わってしまうのだ。
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