たとえ、この恋が罪だとしても
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海に沈んでいく夕陽を背景にするために、最後は庭園での撮影となった。
風はかなり冷たかったが、我慢できないほどではない。
いや、カメラの向こうから注がれる安西さんの視線だけに意識を集中していたから、寒さを感じなかったのかもしれない。
目だけでなく、うなじで、背中で、肩で、腕で、胸で、脚で、安西さんの眼差しを感じとっていた。
「後ろを向いて、そのまま振り返って。そう」
心のなかには安西さんとの数少ない思い出が浮かんでは消えていた。
わずか1カ月半の間のこととは思えない。
もっと長い時間のようにも、一瞬だったようにも感じる。