たとえ、この恋が罪だとしても
「ああ……」

 同時に声を上げた。それは快楽というより安堵感に近いものだった。

 こうしてふたりが繋がることはとても自然なことなんだと思えた。

 月が満ちては欠けるような、水が上から下へと流れるような、ごく自然なことと。

 溶けあってしまいそうだ。このまま溶けてふたりを隔てる境界がすべて無くなってしまえばいいのに。

 「あ、やの……すきだよ」
 「あ……んざい……さ……」
 
 嵐のように激しい交合の末に、ふたりで同時に果てた。

 しばらくそのままふたりで横たわったいた。
 心が満たされて、わたしは幸せの絶頂にいた。

 幸福すぎて、いっそ怖かった。

「おれ、あの日さ、ふたりで星を見に行ったとき、すごくわくわくして、めちゃくちゃ楽しかったんだ」
わたしの髪を撫でながら、安西さんは言った。

「えっ?」
「この子といると、なんでこんなに気持ちが安らぐのかなって思ってた」

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