たとえ、この恋が罪だとしても
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今から2カ月前のこと。
美紀さんが、相談があると言ってみんなの前で話しはじめた。
「『聖ヨハネ教会』ってご存知かしら。そこの牧師様から、12月15日の日曜日の礼拝の後で、讃美歌を中心に信者さんの前で歌ってほしいというご依頼があって。どうかしら。やってみる?」
「まあ、素敵!」
真っ先に声を上げたのは最高齢の待子さん。
「ぜひやりましょう。教会でコンサートなんて素敵。日ごろの練習の成果を天国の主人に聞かせたいわ」
西園寺待子さんは御年83歳。でも背筋がしゃんと伸びていてとってもお元気。
七十代と言っても充分通じる。笑顔がチャーミングな、とても可愛らしいおばあさん。
合唱団のメンバーはみんな待子さんが大好きだった。
待子さんがそうおっしゃるならと、異を唱えるひとはいなかった。
「じゃ、決まりね。それでは教会での初コンサートに向けて頑張って練習はじめましょう」
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衣装づくり、歌の練習、パンフレットづくりと、多忙な2カ月はあっという間に過ぎていった。
いよいよ、明日が本番。
でも大阪に行くとなったら、こうしてみんなと一緒に歌えなくなるんだ。
そう思うと、少し寂しい気分になった。