たとえ、この恋が罪だとしても
 この仕事をきっかけに、ファッション関係の撮影のオファーは格段に増えた。

 海外からの依頼も増え、情けないことに、あいかわらず紗加に頼る日々が続いている。

 でも、愛人関係のほうは解消した。
 いや、自然消滅と言ったほうがいいか。

 おれが紗加に欲望を感じなくなってしまったから。

 紗加だけじゃなくて、他の女でも同じだった。 
 おれが……札付きの女たらしだったこのおれが、である。 

 どうしても文乃以外の女を抱く気になれなかった。

 でも数ヶ月過ぎて、さすがにそろそろ気持ちを切り替えないとやばい、と思っていた矢先に、以前モデルをしてくれた里奈ちゃんから、〝今夜、開いてますか?〟とラインが入った。
 
 よっしゃ、久しぶりに楽しい夜を過ごしてみようか、と思ったのだが……
 
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