たとえ、この恋が罪だとしても
「気にしないでくださいね。誰にでもあることだし」
 とナイスバディの里奈ちゃんは優しく慰めてくれたけれど、そのやさしさが、落ち込む心に余計に応えた。

「罰(ばち)が当たったんだと思います」
「罰?」

 あなた、今までさんざん女の子を泣かせてきたんだから、こんな罰があたったのよ、って言いたいのかな? 

 でもそうではなく、里奈ちゃんが言ってるのは自分のことだった。

「彼氏に浮気されて、悔しくて腹いせにわたしも浮気してやれ、と思って。それで、モデル仲間で一番人気の安西さんとイイことしたら、すこしは気が晴れるかな、なんて。不純ですものね。動機が」

「いや、きみはぜんぜん悪くないよ。それに、こんな可愛い子を前にして……やっぱりわれながら情けない」
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