たとえ、この恋が罪だとしても
「ううん、生きてるよ。生きてるけど、もう会えないんだ」

 会えないんだ、このみちゃん。先生が大好きな、安西さんには。

 彼と過ごした日々の記憶は鮮明で、不思議なほど色褪せていない。

 ときおり、会いたいという思いがつのり、どうしようもなく切ない気持ちに襲われることがある。
 今みたいなクリスマスの季節は、特に。

 3年……
 そんなに長い年月が過ぎたなんて嘘みたいだ。

 けれど月日は着実に前に進んでいる。

 唯一、連絡を取り合っている前の会社の友人から、俊一さんが結婚したことを聞いた。

 俊一さんに別れを告げた日のこともやはり昨日のことのように覚えている。

 今でも、苦痛に歪んだ彼の顔が夢にあらわれる。
 それでも、その話を聞いたときはすこしだけ背負っていた重荷が軽くなった気がした。
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