たとえ、この恋が罪だとしても
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すっかり日が落ちて、闇に覆われた町のなかで、そのファミレスだけが煌々と光を放っていた。
まるで港に船を誘導する灯台のように。
この店に安西さんがいる。
まだ、とても現実のことと思えない。
「すみません。お待たせして」
「いや、ぜんぜん。思ったより早かった」
彼は満面の笑みでわたしを迎え、向かいの席に座るように促した。
3年ぶり。ひと通り、挨拶をすませると続く言葉が見つからない。
気まずいわけではない。
でも、この状況に馴染むまでに、少し時間が必要だった。
一方、安西さんは3年の時間なんてあっという間に飛び越えたらしい。
まったく以前と変わらない口調で話しはじめた。
「髪、切ったんだ」
「はい。あまり長いと、子どもたちに引っぱられるので」
「よく似合ってるね。ショートもいいな」