たとえ、この恋が罪だとしても

***

 すっかり日が落ちて、闇に覆われた町のなかで、そのファミレスだけが煌々と光を放っていた。

 まるで港に船を誘導する灯台のように。

 この店に安西さんがいる。
 まだ、とても現実のことと思えない。

「すみません。お待たせして」
「いや、ぜんぜん。思ったより早かった」

 彼は満面の笑みでわたしを迎え、向かいの席に座るように促した。
 
 3年ぶり。ひと通り、挨拶をすませると続く言葉が見つからない。
 気まずいわけではない。
 でも、この状況に馴染むまでに、少し時間が必要だった。

 一方、安西さんは3年の時間なんてあっという間に飛び越えたらしい。
 まったく以前と変わらない口調で話しはじめた。
 
「髪、切ったんだ」 
「はい。あまり長いと、子どもたちに引っぱられるので」
「よく似合ってるね。ショートもいいな」
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