たとえ、この恋が罪だとしても
〈side Takito〉

「いいだろう、彼女」
 プリントアウトした写真を見ながらおれは言った。

「そうね。素材としての良さは認めるわ。でも……」
「表情?」
「ええ、ちょっと硬すぎる。最近は素人でも写真慣れしてる子が多いのに、この子はまったくだめね」
 紗加は数枚あるプリントをめくりながらため息をつく。

 おれはまだ諦めていなかった。

 とにかく、おれのイメージに〝どんぴしゃ〟なのだ。

 紗加の言う通り、こうしてプリントアウトして客観的に見るとあまりにも素人丸出しだ。

 まあ、そのへんはまだ時間はあるから、なんとでもなるだろう。

 モデルうんぬんというよりも、おれの写真家としての腕の問題だ。

「写真映えすることは認めるけど、でも探せば彼女の代わりぐらい、いくらでもいそうに思うけど」

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