たとえ、この恋が罪だとしても
第2章 理想のモデルは何処にいる?
〈said Takito〉
「うーん、いいね。いい表情! それいただき! もっと、こっちに目線、そうそう。いいよ。もー、里奈ちゃん、サイコー!」
「もぉ、安西さーん、いまどきそんなことを言うカメラマンさん少ないですよぉ」
彼氏を見つめるような表情でレンズに視線を向けたまま、レースの下着に男物のシャツを羽織っているだけの里奈は少し鼻にかかった甘え声でそう言った。
「そお? もじゃもじゃ頭の大御所ぐらいか。そんなこと言うのは」
ふふっ、と楽しげな表情になる。
そうそう、そのぐらいリラックスしてくれたほうがいい表情が撮れる。
12月初頭の平日、午後2時。
昼下がりの東京は快晴。
枯れ葉が強風にあおられて舞い散っているのが窓から見えるけど、スタジオのなかは適度な温度に保たれている。
「うーん、いいね。いい表情! それいただき! もっと、こっちに目線、そうそう。いいよ。もー、里奈ちゃん、サイコー!」
「もぉ、安西さーん、いまどきそんなことを言うカメラマンさん少ないですよぉ」
彼氏を見つめるような表情でレンズに視線を向けたまま、レースの下着に男物のシャツを羽織っているだけの里奈は少し鼻にかかった甘え声でそう言った。
「そお? もじゃもじゃ頭の大御所ぐらいか。そんなこと言うのは」
ふふっ、と楽しげな表情になる。
そうそう、そのぐらいリラックスしてくれたほうがいい表情が撮れる。
12月初頭の平日、午後2時。
昼下がりの東京は快晴。
枯れ葉が強風にあおられて舞い散っているのが窓から見えるけど、スタジオのなかは適度な温度に保たれている。