たとえ、この恋が罪だとしても
第7章 満点の星空の下
〈side Ayano〉

「……ふーっ」

 何度目の寝返りか、もう数えてすらない。

 スタジオに行った日からずっと眠れない日が続いていた。
 迷っていた。
 安西さんに電話をかけようかと。

 どう考えても、電話なんてかけるべきじゃない。
 でも……
 わたしを迷わせる理由はただひとつ。
 安西さんにもう一度会いたい、という気持ちがどんどん膨らんでいくことだった。

 もしモデルを引き受けたら、その間はあの人の近くにいられる。

 でもそのためにはカメラの前で、彼が納得するような表情や仕草ができなければいけない。

 無理。
 やっぱり断ろう。

 第一、今はそんなことにうつつを抜かしているときじゃない。
 俊一さんとのことを第一に考えなければ。

 もちろん、安西さんとどうこうなるなんて、そんな大それたことは露ほども思っていない。
 
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