さあ、離婚しましょう  始めましょう

わざとだ。

絶対確信犯の尋人がクスリと笑うのを、照れ隠しも込めて軽く睨みつけた。

「ほら、弥生、見てみろよ。画面」

「え?」

うそ……。

その様子がまさか目の前の大画面に映っていたとは想像もしていなかった。「仲良しカップルさんですね!」
アナウンスの女性の声に、私は真っ赤になって俯いた。
周りから歓声が上がり、私は恥ずかしくてどこかに隠れたくなったが、尋人は楽しそうに画面に微笑んで、また歓声が上がったのは言うまでもない。
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