さあ、離婚しましょう 始めましょう
話しをしているうちに、あっという間に私の家の近くが近づいてきていた。
食べ歩きをしすぎてお腹はいっぱいだが、まだ寝るには早い時間だ。
【寄っていく?】そう聞けばきっとそうしてくれるはずだ。
今日感じた幸せをもっと濃いものにしたくて、私は焦っていたのかもしれない。
このままもっと先に進みたい。そんな欲求が沸き上がる。
今までこじれてきたのだから、関係を確実なものにしたかったのだ。
流行の音楽に合わせて、ご機嫌に口ずさむ尋人の横顔をジッと見つめた。
「どした?」
「なんでもない」
見すぎていた私に、尋人が苦笑した尋人に尋ねられ私は咄嗟に首を振る。
「変な弥生」
クスっと笑った彼に、言うなら今しかないと思う。
あと五分もすれば家に到着してしまう。