さあ、離婚しましょう 始めましょう
「俺が全部悪い。初めてといっていい恋にやり方がわからなくて間違えた。弥生が宗次郎を好きだと思ってたから、どうにかうまく行かせてやりたくて、宗次郎に近寄る女に声かけたりして……。俺本当にバカだな」
最後は呟くように尋人は言うと、抱きしめる腕をさらに強めた。
「尋人、苦しい……」
流石に強く抱きしめられすぎてそう漏らせば、抱きしめられていた腕の力が緩む。
「好きすぎて、可愛すぎていじめたりしてごめん。きちんと気持ちを伝えなくてごめん」
「尋人……」
まさかそんなふうに思っていたことに驚きが隠せない。
付き合うって決めてからも、モヤモヤしていた気持ちが少しずつ晴れていく。
「付き合い始めてから触れなかったのも、まだ弥生が俺を好きになってくれてないと思ってたから、触れて嫌われたくなかった」