さあ、離婚しましょう  始めましょう

尋人は目を閉じることなく、キスをしたまま私の瞳を見つめていた。
初めて見る欲の孕んだそれにクラクラとしてしまう。息継ぎもままならなくて、酸素を求めると尋人の舌が入り込んできた。
ビクっと肩が揺れ、吐息が漏れる。

「弥生、いいの?」
キスの合間に問い掛けられたその意味がわからないほど子供ではないし、念入りにそのつもりで準備してきたのだ。

コクリと頷けば、ふわりと身体が宙に浮いていた。

お姫様のように抱き上げられたことに、驚いて「重いからやめて」そんなことを口にするも、尋人は聞く耳持たずそのまま寝室のドアを開けた。
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