さあ、離婚しましょう  始めましょう

『違う。可愛すぎてやばい……』
もっとムードや年上の余裕を見せたいのに、発した言葉は覚えたての高校生のようなセリフ。
しかし、弥生はふにゃっと笑うと『よかった』と安堵する。
そんな彼女にお手上げで、俺は彼女をギュッと抱きしめた。

少しでも落ち着かなければめちゃくちゃに抱きつぶしそうだ。大きく深呼吸をして心を落ち着かせる。
ずっと、ずっと触れたかった弥生がこうして自分の手の中にいることは、泣きそうにもなるほど幸せだ。

彼女の身体に優しくキスをしていると、弥生の真っ白な肌がピンクに色づく。
そして、甘く響く声。こんな彼女を他の男が知っているのだろうか?
不意に思ってしまった他の男への嫉妬心。

『弥生……誰かにこんなことさせた?』
もし、いると言われたら嫉妬に狂うのぐらいわかっているのに、俺はその言葉を口にしていた。
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