さあ、離婚しましょう 始めましょう
しかし、そこからの記憶がかなりあいまいだ。
尋人は経験のない私を気を使ってだろう、かなり優しく甘く時間をかけてくれていた。
そして……。
目の前が真っ白になったところでプツリと記憶が途切れている。
「寝落ちしたな」
「うそ!」
なんて失態。ありえない。どうして。私のバカ。いくら緊張したからと言っ
て、アルコールを加減しなかった自分を今更呪う。
ガバっと起き上がり、ベッドの上に正座をすれば、昨日の名残のままで下着姿
だ。横になったまま肘をついている尋人の視線に、私はまたブランケットの中にもぐりこんだ。
「本当にごめんなさい。怒ってるよね」
顔まですっぽり隠すと私は泣きそうになりながら謝罪の言葉を繰り返す。
そのとき、ブランケットごとギュッと抱きしめられたことが分かった。