さあ、離婚しましょう 始めましょう
「怒るわけないだろ。これから時間はたっぷりあるんだから焦る必要なんかないよ。それに十分堪能……」
「バカ!」
少しふざけた様に、昨日のことを気にするなと気を使ってくれている柔らかな声が聞こえて、私はゆっくり目だけをブランケットから出す。
そこには優しく微笑んでいる尋人がいた。
そして、視線を下に移せば、朝の光に照らされている彼の裸の上半身が目に入り、また恥ずかしくなる。
百面相のように表情を変えていた私を見て、尋人が問いかける。
「弥生、何してるんだよ?」
「だって、やっぱり恥ずかしいし……」
好きな人との甘ったるい時間がこれほど恥ずかしいとは……。
でもそれ以上に幸せも感じる。
「さあ、朝飯にするか」
そう言いながら、尋人は優しく口づけた。