さあ、離婚しましょう  始めましょう

「そうだね、前は一緒に出社してたけど、今はみんなバラバラだもんね」
「佐和子!」
尋人がそんな佐和子を諫めれば、佐和子は泣きそうな表情を浮かべた。

「でも、本当の事でしょ」
最後は消え入りそうな声で佐和子は言うと、気まずい空気が流れる。
そんな佐和子に、宗次郎君は何もいわない。前より関係が悪くなっているのがすぐにわかった。

「とりあえず行こ?」
会社の前で四人で止まっていては、周りもチラチラと視線を向ける。それを感じて私が促せば、佐和子は「ごめん」と言って一人歩いて行ってしまった。

「佐和子!」
追いかけようと足を踏み出した私だったが、後ろから手を引かれて止めた。

「いいよ、追いかけなくて」

「宗次郎!」
その行動に私が驚いて宗次郎君を見上げれば、尋人が声を上げた。
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