さあ、離婚しましょう 始めましょう
「どうしたらいいんだろう?」
結局、今日一日忙しく、佐和子と話をする時間はなく、あの二人も普通に見えた。
「仕事に支障はないし、様子見るしかないんじゃないか」
先に終わって一足先に家に帰ってきていた私の家に尋人が来たのは三十分前。
作ってあった夕飯を食べながら、私は今日の朝のことを思い出していた。
「そうだけど……」
ご飯をパクっと口に入れて私が考えこむと、尋人は小さく息をついた。
「弥生ちゃん」
いきなり初めてかもしれない、”ちゃん”呼びをされ、私は驚いて彼を見る。
「あの二人のことより、俺たちのこと考えない?」
「私たちのこと?」
「そう」
尋人は箸を置いて真剣な表情をみせたと思えば、そっと私を抱き寄せた。