さあ、離婚しましょう 始めましょう
男勝りできつく見える私は、いつも男なんていらないだろうそう思われていたし、昔付き合った元カレにもそう言われて別れた。
でも、本当はお化けも怖いし、雷も怖い。ゴキブリだってダメだし、蜘蛛もダメ。
そんな私を知られたくなくて、自分を作らなきゃと思う気持ちが大きくなっていった。
いつも虚勢を張って強い自分を演じていた。
でも本当は嫌われるのが怖くて仕方がないし、弱いし泣き虫などうしようもない人間だ。
そんな自分だったが、社会人になり一つ上の先輩の宗次郎と尋人、そして同期の弥生。みんなバラバラの性格の私たちだったが、仲良くなればすぐに打ち解けた。
そんな中で、私は宗次郎に恋をした。いつも穏やかで、優しい彼。”この人が好き”そう思うのには時間はかからなかった。
初めて自分から人を好きになった私は、恋の駆け引きなんて知らなかった。今思えばどれだけわがままに、自分の気持ちだけを押し付けていたのがわかる。