さあ、離婚しましょう 始めましょう
「さっきのって?」
「俺が可愛い子が良くなったって」
わざわざ私に言わせたいのかと、苛立ちとともにやけくそで話し続ける。
「だって私なんてかわいくないし、宗次郎、弥生といると優しいし、たくさん話すし……。私なんかより……」
自分で言っていて、悲しくて仕方がなくなる。
「なんでそんなことを……」
大きく息を吐きながら宗次郎が、独り言のように呟いた。
「なんでって、私ばっかり好きっていうし、結婚だって私が強引に決めたようなものだし。宗次郎は本当は嫌だったんでしょ」
「そんなことあるわけないだろ!」
初めてかもしれない。怒気をまとった宗次郎のセリフに、ビクリと身体を震わせた。
「ごめん……。そうだよな。俺が悪いんだよなあ」