さあ、離婚しましょう 始めましょう
そのあと、なんとなくいい雰囲気になった私たちだったが、目の前に積まれた仕事にため息をついた。
「佐和子、それにしても頑張ったな。ここの契約本当に難しかっただろう」
いつの間にか私の仕事を見ながら、残務処理を手早く始めていた宗次郎。
「ごめん、宗次郎も疲れてるでしょ? 先帰って?」
本当は今日ぐらい宗次郎の家に行って、おいしいものを食べて、お酒を飲んで。それから……。
いちゃいちゃすることを考えてしまい、急に顔が赤くなってしまう。そんな邪念を頭から追い出していると、宗次郎は口を開いた。
「帰っていいの?」
「それは……」
また素直じゃないことを言ってしまった私は口ごもる。