さあ、離婚しましょう  始めましょう

「あー、悪い。こういうところだよな」
何を思ったのか宗次郎はクシャりと髪をかき上げると、私を見て微笑む。
「早く終わらせて、俺の家に直行。今日は帰さない」
「え?」
ストレートに言ってくれた宗次郎の言葉に、私は涙が零れそうになる。宗次郎も一緒にいたいと思ってくれた。
それだけで心が満たされていく。

「いいの?」
「俺が一緒にいたいの」
少し照れたように言う宗次郎をジッと見てしまった私を、彼は椅子ごとパソコンに向ける。
「早くやれよ」
「うん」
そこから私は早く帰るために、すごいスピードで仕事を片付けたのは言うまでもない。


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