さあ、離婚しましょう  始めましょう
その後、宗次郎の部屋へ行くと初めて玄関を入ってすぐに壁に押し付けれた。
「ちょっと……そう……」
抱き合うことにしても、それほど求められたこともない私は、あまりにも激しいキスにめまいを覚える。
こんなキスしたことあった?

「佐和子、いつも俺が我慢してたの知ってる?」
「え??」
キスの合間に私が答えれば、宗次郎は眉根を寄せた。
「優しくしないと嫌われる。そう思ってた」
早急に私の服を脱がしにかかる宗次郎。

「なんで? どうしてそんなこと思ったのよ」
いつも穏やかで優しく抱き合うことに、不満があったわけではないが、もっと求めてほしいと思っていたことも事実だ。
まさか宗次郎がこんなことを思っていたなんて、まったく想像もしていなかった。

「じゃあいいんだな?」
初めて見るかもしれない、欲を孕んだその熱の灯った瞳に一気に身体が熱くなる。
「うん……」
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