さあ、離婚しましょう 始めましょう
私の肯定と同時に抱き上げられ、乱暴にベッドに落とされてからは、もうただ熱に浮かされるしかなかった。
「ダメ……」
本当は嫌でもダメでもなく、羞恥で零れる嬌声を宗次郎はキスで塞ぐ。
それでも今日は手を止めることはなかった。
「初めて佐和子を抱いたとき、今みたいに、ダメ、嫌って言われた」
首筋に舌を這わせながら、耳元で宗次郎がささやく。それはただ口から出てしまっただけだったのだが、まさかそれを気にしていたとは思わなかった。
「嘘……。本当は嫌じゃない」
どこまでも優しい宗次郎。ずっと私を思っていてくれていたことだとわかった。
「優しくしているつもりだったことが、佐和子を不安にしてたんだ。俺もこれからは変わるようにする」
「え? うそ、違う……」
抱き方を変えるの? そう思ったが最後、快感に落とされもう何も考えられなかった。
でも、宗次郎もこうしたかったのなら、嬉しい……。
そんなことを思いながら、私は眠るように意識を失う寸前、「佐和子、おかえり。愛してる」そう聞こえた。