さあ、離婚しましょう 始めましょう
ぼんやりと目を開ければ、まだ暗くて朝ではないことがわかる。どれぐらい眠っていたのだろう。時計を見れば一時間ぐらいしかたっていない。
そして、後ろに温かい体温を感じる。ギュッと抱きしめられていることに、泣きたいくらい幸せな気持ちになる。
起さないように彼の腕の中で向きを変えて、眠る宗次郎をジッと見つめた。
幸せを感じながら昔のことを思い出していると、最近の弥生と尋人のことを考える。
離婚した原因も詳しく教えてくれないし、そもそも付き合ってると聞いたこともないのに結婚をした。
今思えばそれもなんとなくおかしい気がする。