さあ、離婚しましょう 始めましょう
「何をいろいろ考えてるの?」
さっき抱いていた時とは別人のように、目をこすりながらも優しい笑顔で、ギュッと私を抱きしめた宗次郎を抱きしめ返す。
「尋人たちのこと」
「こんな時に他の男の名前はダメでしょ」
私が答えれば宗次郎は表情を歪めた後、私にチュッとキスを落とす。
「そうじゃなくて、どうして離婚したのかな? って思ってたんだけど、そもそもどうして結婚したのかな?」
「好きだから結婚したんじゃないの?」
私の考えていることがわからないのか、宗次郎はいきなりどうした?と言わんばかりに答えた。
「でも、付き合ってるって尋人から聞いていた?」
「いや、それは聞いてないけど……」
そこまで宗次郎も言うと言葉を止めた。