さあ、離婚しましょう  始めましょう
「そんことないよな、弥生いつも家で映画とか見てても、笑ってたと思ったら次は泣いてるし」
確かに映画をよく見ていたが、そんなふうに自分を観察されていたことに驚いてしまう。

「どうせ、尋人は映画じゃなく弥生を見てたんでしょ」
佐和子が揶揄うように言えば、尋人は「もちろん」と真顔で答えた。

「うわー。遠慮がなくなった初恋男は怖い」
佐和子の遠慮のないセリフに私は恥ずかしくなるも、尋人は涼しい顔をしている。

「明日はもう一つの方に行こうね」
私に佐和子がニコリと笑顔を向ける。私はすでに明日のパークが楽しみで仕方がない。
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