さあ、離婚しましょう  始めましょう
「あっ、佐和子。会社ではとりあえず内緒にしておいて。宗次郎君にはもちろん伝えてもらってもいいけど。それに結婚式はちゃんと二人ででるからね、もうすぐ招待状を送る時期……」

「それなんだけど」
私の言葉を遮るように佐和子が言うと、今度は佐和子が髪をかき上げながら言葉を選んでいるように見えた。

「そのことなんだけど。少し延期しようと思うの」
「え?」
私たち二人の声がははもる。

「結婚、少し考えようと思って」
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